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研究テーマ
梵文法華経(Saddharmapuṇḍarīka)の写本を、伝統的な文献学の方法と、計算機による言語解析を組み合わせて研究しています。
1. 梵文法華経写本の基盤テキスト構築
標準テキストのケルン・南條校訂本(KN)をローマ字化し、脚注の不備を対校写本の読みで補った「ローマ字本・脚注補完」を『大乗仏典思想叢書』として刊行しています。中央アジア系写本のローマ字翻字とデジタルテキスト化は完了しました。現在はギルギット本とネパール系写本の翻字を進めています。
2. レーベンシュタイン距離による写本の系統分類
研究協力者の黛千洋(情報工学)と開発したプログラムで、写本間の本文類似率を定量化しています。第2章偈文の分析結果は、類似率行列と再現性監査データとして公開しています(Zenodo/GitHub)。
3. 梵語化(Sanskritization)の検証
KN の異読、同義語、偈頌の韻律を手がかりに、伝承の過程で中期インド語形がどのように梵語化されたかを検証しています。
4. 法華経の方便思想
博士論文以来、upāyakauśalya(方便)と saṃdhābhāṣya(組み合わされたことば)を中心に、経典の成立順に沿って教説の展開を跡づけています。
今後の展望
本文類似性・梵語化の程度・書写年代の三要素を統合し、梵文法華経写本群の伝承過程を計量的に解明することを目指しています。
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